CONFESSION · 体験記 #02

喉声枯らしマン
卒業するのに 2.5 年
ー 順番を間違えた僕が
ヒゲダンを歌えた朝練のこと

喉声を治すのに、5 年中の 2.5 年を溶かした。順番を間違えていたから。3 ステップの正しい順番と、ヒゲダンが 100% で歌えた朝の話を、現役声優の僕が全部書く。

「喉声って、何年で治るんですか?」

これ、自分の声を初めて録音して聞いた瞬間、絶対に検索したくなるやつ。
でも、誰も具体的な数字で答えてくれない。
だから今日、僕が書く。

養成所に 5 年通った。そのうちの 2.5 年を、僕は「喉声枯らしマン」として生きていた。

理由はひとつ。順番を間違えていたから。

これを読んでるあなたが、自分の声を録音して気持ち悪くなった人でも、YouTube のボイトレ動画を 100 本見ても治らない人でも、たぶん知りたかった話のはず。

CHAPTER 01 — VERDICT

喉声枯らしマンを卒業した「確信的 3 ステップ」 — だけど僕は「3」から入って 2.5 年溶かした

先に結論をぶつける。

僕と同じ症状で悩んでる人なら、たぶん、この順番で治る。

  1. ため息の感覚を体に入れる
  2. そのため息に "裏声" を乗せる
  3. 鼻腔共鳴を練習する

順番は、1 → 2 → 3 で。

僕がやってたのは、いきなり 3 から入ることだった。

「鼻腔共鳴がいいらしい」って聞いて、土台がゼロのまま鼻にだけ響かせる練習をした。自分が間違った道を進んでいることに気づかないまま、2.5 年溶かした。

念のため言っておく。鼻腔共鳴自体は正しい。声優の基礎中の基礎。

問題は 「いつやるか」。これだけ。

人によって声帯の状態は違うから「絶対に治る正しい順番」とは言えない。でも、僕にとっては、これが 確信的な答えだった。

CHAPTER 02 — DATA

数字で見る、僕の喉声時代

養成所通った 5 年間で、僕がどれくらい喉声に時間を溶かしたか、数字で書く。

DATA · 僕の喉声時代
YEARS 養成所に通った年数 5
LOST 喉声を治すために費やした期間 2.5年(半分)
BEFORE 当時、台本を読み続けられた時間 1時間も持たず
AFTER 治った後、ぶっ通しで読めるようになった時間 2時間(全編+後編)
STEPS 治すのに必要だった順番 3ステップ
LESSON 技術より、順番とにかく順番を守れ

「2.5 年も?」って思ったあなた、正常な反応。僕も卒業してから振り返って、ゾッとした。

5 年の養成所通って、半分の 2.5 年を「順番を間違えた基礎練習」に溶かしてた、ってこと。

僕がもし 19 歳のあの春に戻れるなら、自分にこう言う。

「最初の 1 年は技術なんて気にするな。とにかく順番を守れ。」

CHAPTER 03 — MISTAKE

喉声時代の僕がやってた「間違った順番」

19 歳で養成所に入って、最初の半年で気づいた。

「自分の声、気持ち悪い」

カラオケ通いの癖で、地声を喉で締めて出す 典型的な喉声だった。録音して再生したときの違和感、声優志望なら誰でも一度は通る通過儀礼だと思う。

ここから、僕の「治そう」フェーズが始まった。

19 歳 · 秋

最初に飛びついたのは、「鼻腔共鳴」っていうキーワードだった。

YouTube のボイトレ動画にも、養成所の講師の口からも、先輩の練習風景でも、何度も出てくる。「これがプロの声の正体だ」って言ってる。

だから、僕はやった。

鏡を見ながら、鼻の奥に声を当てるイメージで、「なー」や「のーのーのー」を毎日繰り返した。

数週間後

最初は、手応えしかなかった。

「おお、これが俗に言うアニメ声か。」

鼻に響かせると、確かに、それっぽい声が出る。「これは使えるじゃないか」って思った。

「これで演技してみよう。これで通常の喋り方にしてみよう。」

そう信じて、普段の会話まで鼻に抜けるトーンに変えていった。

数ヶ月後

異変に気づかせてくれたのは、友達だった。

「お前、なんか喋り方変わった?」

「ちょっと鼻声っぽいっていうか、鼻詰まってね?」

──え?

慌てて録音して聞き返した。

確かに、鼻にかかった「それっぽい声」にはなってる。でも、なんだか こもってる。芯がない。台本を読んでみると、前回同様、5 分も持たずに喉が締まってくる。

そこでようやく、気づいた。

「これ、アニメ声じゃない。ただの鼻声だ。」

しかも、普段の話し声まで巻き込んで悪化させてた

養成所に払った学費でいうと、約 55 万円分を、この「気づかない 2.5 年」に投下したことになる。

CHAPTER 04 — TURNING POINT

転機は「歌のボイトレ動画」だった — 3 年目の研究フェーズ

転機は、3 年目に入ってからだった。

実は、1-2 年目もちょくちょく YouTube のボイトレ動画は見てた。気が向いたとき、寝る前、移動中、軽く。

でも、3 年目に入ってから、見方が変わった。

体感だけじゃなく、理論まで気にし始めた

声帯の動き、横隔膜の使い方、共鳴腔の位置、裏声と地声の境界、ミックスボイスの構造 — 一個一個、調べた。

「研究した」って言っていいくらい、ボイトレ動画を見漁った。

3 年目 · 春

そうやって理論を浴び続けて、ようやく気づいたことがある。

歌の発声」と「芝居の発声」は別物だって、よく言われる。僕もそう信じてた

でも、動画を浴び続けて、自分の体で試して、5 年通った結論はこれ。

歌と芝居の "応用" は別物。でも、土台の発声は完全に同じ。

芝居の台本を 5 分読んで喉が詰まる人が、歌になった瞬間に治るなんてことは、絶対に起きない。共通の土台があるから、歌のボイトレ理論で土台から直せる。

僕は芝居の練習だけで喉声を治そうとして、2.5 年溶かした。

3 年目、歌のボイトレ動画から拾った理論で 3 ステップを順番通りにやり直した

ここから、ようやく治り始めた。

CHAPTER 05 — THE 3 STEPS

確信的 3 ステップ — 思いもよらない方法で、僕は治した

繰り返すけど、人によって声帯の状態は違う。だから「絶対に治る正しい順番」とは言わない。

でも、僕にとっては、これが 確信的な答えだった。

順番は 1 → 2 → 3 で。

ステップ 1:ため息の感覚を体に入れる

最初にやることは、「うまく発声する」じゃない。

お腹を使って、ため息を吐く感覚を体感すること。これだけ。

待って。

「これからアニメ声とか、芯のある声で歌えるようになりたいのに、最初にため息かよ。」

──分かる。僕も最初にこれ知ったとき「は?」ってなった。

声優志望が最初にやるのは、滑舌か、発声か、台本読みじゃないの?って思うよね。

でも、これがマジで土台。ここを飛ばすと、僕みたいに 2.5 年溶かす

椅子に座って、肩の力を抜いて、口を軽く開けて、お腹から空気をふーっと吐き出す。声を出そうとしない。

これが、いわゆる「腹式呼吸」の入口。

「腹式って分からない」って人は、ここで詰まる。声を出そうとするから分からなくなる。まず "ため息" だけを、丁寧にやる。

ステップ 2:そのため息に "裏声" を乗せる

ため息の感覚が体に入ったら、次は 裏声を乗せる

これ、ポイントが 1 つだけある。

地声を乗せようとすると、ため息がプツッと途切れる。裏声でしか乗らない。

これに気づいたとき、僕の中で全部つながった。

地声で出そうとすると、人間は無意識に喉を締める。締めた瞬間、ため息は止まる。だから「ため息+発声」は、脱力した裏声でしか成立しない。

裏声を乗せたまま、ため息を 5 秒、10 秒、15 秒と伸ばしていく。

「お腹も使えてる、しかもクリアに発声できてる」という体感が手に入る。

ここが、喉声から脱却する瞬間。

ステップ 3:鼻腔共鳴を練習する

ここまで来て、初めて鼻腔共鳴の練習が意味を持つ

ステップ 1-2 の土台がない状態で鼻腔共鳴をやると、僕がやってた「変な鼻声」になる。

土台ができた状態で鼻に響かせると、プロ版のアニメ声が手に入る。

順番が逆だと、2.5 年溶かす。順番通りだと、半年で別人になる。

エイトの結論

エイト(24 歳・現役声優)の結論を、もう一度書く。

「一番大事なのは知識。苦悩する経験も必要だけど、知らないとできない」

「次に大事なのは順番」

CHAPTER 06 — THE MORNING

「治った」と気づいた朝練 — ヒゲダンが 97 点で歌えた日

3 年目の冬、1 月か 2 月だったと思う。オーディションシーズンの真ん中だった。

その日も、いつも通り朝からカラオケに入って、発声練習を始めた。

僕のルーティンは決まってる。最初に好きな曲を 2 曲歌って、体を起こしてから本練習に入る

1 曲目に選んだのは、ヒゲダン(Official 髭男 dism)だった。

僕、ヒゲダンが大好きなんだけど、普段はほぼ歌えない。原曲キーが高すぎて、調子悪い日は 1 オクターブ下げないと出ない。

その日、歌った瞬間に思った。

「今日、めちゃくちゃ楽だ」

朝練 · カラオケ

結果、その日は 100% フルキーで歌い切れた

サビの高音、全部当たった。喉に違和感がない。むしろ、出すべき場所から声が出てる感覚があった。

カラオケのモニターに、97 点が出た。

そのとき、確信した。

「今日、できるな」

何ができるか、まだ分かってなかった。でも、何かが体の中で噛み合った感覚があった。

机の上の台本

ヒゲダンの後、僕がやろうとしてたのは、ある朗読劇の台本だった。

リーディングハイっていう、一流声優陣が集まる朗読公演があって、それを見に行ったときに台本を購入してた。

全編+後編で、約 2 時間

プロの声優は、これを 1 日 2 公演(午前・午後)でこなす。同じ素材を、1 日に 2 回、本気で。

それを観たとき、僕はこう思った。

「化け物だな」

当時の僕は、全編 1 時間すら、喉が持たなかった。30 分過ぎたあたりから声が掠れて、最後は読んでるのか唸ってるのか分からない状態になる。

買った台本は、ずっと机の上に置いてあった。読み切れないことを、自分で認めるのが嫌だった。

3 年目 · 冬 · その朝の続き

3 ステップを並行して進めて、半年経った冬の朝。

カラオケでヒゲダンが 100% で出た直後、僕はその台本を引っ張り出した。

「今日、もう一度やってみよう」

スタジオを取って、台本を開いて、全編を読み始めた。

30 分、過ぎた。喉、苦しくない。

1 時間、過ぎた。初めて、1 時間の壁を越えた

そのまま、後編に突入した。

— THE STAMINA JUMP · 3 年目 · 冬 —
1
HOUR
喉声時代の僕
2
HOURS NONSTOP
治った日の僕
BEFORE · 1 時間も持たず AFTER · 全編+後編 2 時間

1 時間も持たなかった喉が、2 時間ぶっ通しで芝居に集中したまま完走できた。
その日、僕は「喉声枯らしマン」を卒業した。

2 時間、読み切った。

読み終わったとき、声が枯れてなかった。

それどころか、最後まで芝居に集中したまま完走できてた。喉のことを考えずに、キャラの感情だけを追えてた。

そのとき、確信した。

「治った」

5 年中の 2.5 年を溶かして、ようやくここに辿り着いた。

CHAPTER 07 — INSIGHT

なぜ 2.5 年も溶かしたのか — 「自分の練習を俯瞰できなかった」から

ここからが、この記事で一番伝えたい話。

僕が 2.5 年溶かした原因は、「鼻腔共鳴という情報が間違ってたから」じゃない。

情報は、正しかった。問題は 順番だった。

そして、自分が順番を間違えていることに、僕は 2.5 年気づけなかった

なぜか。

自分の練習を、俯瞰できなかったから。


何月何日に、何の練習を、何分やったか。
そのとき喉はどう感じたか。
録音した声は、1 週間前と比べてどう変わったか。
講師に指摘されたポイントを、次のレッスンで意識できたか。

これを 記録してない人は、自分が同じ間違いをループしてることに気づけない。

僕も完全にそうだった。練習日誌は、ノートに書いては失くしてた。録音は、スマホに溜まる一方で振り返らなかった。

「今日も頑張った」って気持ちだけで、毎日同じ場所をぐるぐる回ってた。


3 年目に治り始めた本当の理由は、ボイトレ動画から拾った理論だけじゃない。

「先週ここまでできた、今週ここを足す」というログを、自分で取るようになったから

毎日の練習を、ノートじゃなく、後で振り返れる形で残す。すると、自分が同じ間違いをループしてるかどうかが、初めて可視化される。

その瞬間に、僕は気づいた。

「養成所だけじゃなくて、自分の練習にも、これと同じ "ログ" が必要だ」

CHAPTER 08 — THE TOOL

だから僕は、練習を記録するアプリを作った

養成所の外でも、自分の練習に「順番」と「記録」を持ち込みたかった。

そのために作ったのが、VoiLog(ぼいログ)

毎日の練習を、3 つだけ記録する。

所要時間、30 秒

これを 1 週間続けるだけで、自分の練習が 俯瞰できるようになる。

「今週、鼻腔共鳴ばっかりやってた」「先週、ため息の感覚が抜けてた」「最近、喉の調子が落ちてる」 — 全部、ログを見れば分かる。

僕が 2.5 年溶かした原因は、これがなかったこと。

CORE TOOL · VOILOG(ぼいログ)

30 秒で記録。1 週間で「順番がズレてる週」が見える。

VoiLog(ぼいログ)は、僕が 19 歳の自分に渡したかったツール。
記録がない 1 週間は、自分の間違いに気づけない 1 週間。
今日から始めれば、僕の 2.5 年は、たぶん 6 ヶ月に縮められた。

VoiLog アプリをためしてみる
CHAPTER 09 — CLOSING

「順番を間違えてる」ことに気づくのが、最短ルート

最後に、19 歳のあの春の僕がいたら伝えたい一言を書く。

「喉声を治すなら、まず "順番" を疑え。練習量じゃない、順番だ。」

これを読んでるあなたへ。

もし、喉声が治らなくて 1 年以上悩んでるなら、たぶん順番を間違えてる

練習量が足りないんじゃない。誠実さが足りないんでもない。

ただ、今やってる練習が、土台ができる前に応用に手を出してるだけ。

それは、ステップを 1 つ前に戻すだけで解決する。

ため息 → 裏声を乗せる → 鼻腔共鳴。

順番通りにやれば、僕の 2.5 年は、たぶん半年に縮められる。


一人で記録が続かないなら、仲間と一緒に続ければいい。

「アプリだけじゃ続かないかも」って思った人へ。僕も最初はそうだった。

そのために作ったのが、声優志望のための Discord コミュニティ ぼいラボ。毎日 1 本の練習台本が届いて、同じ志を持つ人と、本音で練習報告できる場所。VoiLog(ぼいログ)の記録を Discord で共有してる人もいる。

ひとりで頑張る必要はない。

ぼいラボ Discord に参加(無料)

START TODAY · VOILOG(ぼいログ)

今日、30 秒だけ、
今日の練習を記録してほしい。

喉を壊し続ける 1 日 1 日が、回復できる時間を削ってる。
順番のズレに 1 週間で気づく人と、3 ヶ月後に気づく人で、
人生の声の質が、確実に変わる。

VoiLog アプリをためしてみる
FREE · iOS / Android · 30 秒で記録 · 1 週間で順番が見える
SERIES · このシリーズで全部書きます

養成所 5 年・声優 3 年・事務所 2 年目のリアル。